法人向けガイド
外国籍社員の日本語研修に使える助成金
外国人従業員向けの日本語教育は、自治体および国の助成金の対象となる場合があります。代表的なものは、東京都の「中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金」と、厚生労働省の「人材開発支援助成金」です。要件・上限額・申請期間は年度ごとに変わるため、検討の際は必ず一次情報をご確認ください。本ページの各制度には、確認した一次情報へのリンクと確認日を記載しています。
日本語研修の導入が決まる理由が、実際には「予算が取れたから」であることは珍しくありません。そして予算が取れる理由が助成金であることも、また珍しくありません。だからこのページを最初に置いています。
東京都「中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金」
東京都内の中小企業が、外国人従業員に対して行う研修等の経費を助成する制度です。日本語教育に係る経費が対象に含まれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象企業 | 都内中小企業等(一般コース) |
| 対象従業員 | 助成事業実施期間中に継続して直接雇用されている、就労可能な在留資格を持つ従業員。常時勤務する事業所が都内にあること |
| 助成率と上限 | 経費の2分の1、標準プラン最大250,000円/短時間プラン最大150,000円 |
| 対象となる研修 | 日本語教員による日本語教育、日本語教材の作成(日本語教員が作成したものに限る)、ビジネスマナー講座、異文化理解に係る講座 |
| 対象経費 | 日本語教育等に係る報償費、消耗品費、旅費、印刷製本費、委託料、使用料及び賃借料 |
| 助成対象期間 | 交付決定の日から令和9年3月31日まで |
| 申請期間 | 令和8年4月9日から令和9年1月14日まで |
| 申請方法 | 郵送または電子申請(Jグランツ) |
出典:東京都 TOKYOはたらくネット「中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金」hataraku.metro.tokyo.lg.jp(確認日 2026年8月31日)。ウクライナ避難民コースなど別枠もあり、上限額が異なります。最新の要件・様式は必ず出典先の募集要項をご確認ください。
見落とされやすい2点。ひとつは、上限額ではなく助成率が経費の2分の1であること。250,000円の助成を受けるには500,000円の研修費用が必要になります。もうひとつは、対象となる日本語教育について「日本語教員」の要件が定められていることです。出入国在留管理庁「日本語教育機関の告示基準」第1条第13項の教員要件を満たす必要があるとされているため、研修会社を選ぶ前に、その会社の講師が要件を満たすかどうかを確認してください。詳しくは 東京都の助成金を使う手順 にまとめています。
厚生労働省「人材開発支援助成金」
職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を実施した事業主に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する国の制度です。制度の一次資料に日本語教育を名指しした規定はなく、外国人従業員への日本語教育は、職務に直接関連する訓練として設計できるかどうかで扱いが分かれます。「日常会話程度の語学の習得のみを目的とする講習」は助成対象外と明記されています。
コース区分、助成率、要件は改正が多く、年度によって変わります。申請にあたっては訓練計画の事前提出が必要で、実施後の支給申請には受講記録の提出が求められます。令和8年度の助成率と、対象になる研修の設計条件は 人材開発支援助成金を日本語研修に使うときの判断基準 に一次情報から整理しています。
参考:厚生労働省「人材開発支援助成金」特設ページ(確認日 2026年8月31日)。助成率・上限額は制度改正により変動するため、本ページには具体的な数値を記載していません。
そのほかの制度
自治体独自の補助制度もあります。たとえば富山県は外国人材の日本語習得等を支援する補助金制度を設けています。所在地の自治体名と「外国人 日本語 補助金」で検索すると見つかることが多く、都道府県だけでなく市区町村単位の制度もあります。制度の有無・内容は地域差が大きいため、本ページでは網羅していません。
また、厚生労働省には外国人労働者の就労環境整備を対象とする助成コースもあります。日本語教育そのものではなく、受入体制の整備に対する助成である点が異なります。
申請にあたって、研修提供者に確認しておくこと
助成金の支給申請では、研修を実施した記録の提出が求められます。研修会社を選ぶ段階で確認しておくと、後で困りません。
- 受講日・受講時間・受講者名がわかる記録を出してもらえるか
- カリキュラムや訓練計画に相当する書面を出してもらえるか
- 請求書の宛名・記載内容が、申請の要件に合う形にできるか
- 制度が求める実施形態(対面/オンライン、講師の要件など)に合致するか
- 講師が制度の定める「日本語教員」の要件を満たすか
最後の2項目は特に注意が必要です。東京都の制度では、対象となる日本語教育について出入国在留管理庁「日本語教育機関の告示基準」第1条第13項の教員要件が参照されています。オンラインでの実施が認められるかどうかも制度によって異なります。研修会社に見積りを依頼する段階で、この2点を先に確認しておくと、あとで対象外だったという事態を避けられます。
United World Nihongo では、受講状況と進捗をご担当者に共有しています。助成金申請をご検討の場合は、必要な記録の形式を ご相談時 にお知らせください。ただし、当社の研修が特定の助成金の対象となることは保証しておりません。とくに講師の要件が定められている制度については、当社講師が要件を満たすかどうかを個別にご確認いただく必要があります。支給の可否は申請先の審査によります。
よくあるご質問
助成金を使えば研修費用は実質無料になりますか。
いいえ。多くの制度は経費の一部を助成するもので、上限額も定められています。また、支給は研修実施後の申請と審査を経てからになるため、費用は一度支払う必要があります。
申請の代行はしてもらえますか。
助成金の申請そのものは事業主が行うもので、代行は社会保険労務士など資格を持つ者の業務です。研修提供者としてお出しできるのは、実施記録やカリキュラムなど申請に添付する書類です。
どの制度が使えるか、相談だけできますか。
ご相談は無料です。ただし助成金の支給要件の最終的な判断は申請先が行うものですので、当社の説明は一次情報の案内と整理にとどまります。