日本語研修で人材開発支援助成金を申請するときに必要な受講記録と様式の整え方

日本語研修で人材開発支援助成金(人材育成支援コース)を申請するとき、受講記録の中心になる書類は3つあります。OFF-JT実施状況報告書(様式第8-1号)と、受講日が属する賃金対象期間の出勤簿またはタイムカードの写し、賃金台帳または給与明細書の写しです。通学制・同時双方向型の通信訓練では、受講時間数が実訓練時間数の8割以上の社員だけが支給対象になり、出勤簿等で出勤状況を確認できない受講時間は数えられません。支給申請の期限は訓練終了日の翌日から2か月以内です。

執筆:United World Nihongo 編集部 / 公開日:2026年9月23日 / 出典:厚生労働省 雇用関係助成金支給要領「12 人材開発支援助成金 (1)人材育成支援コース」(R8.8.3)、厚生労働省「人材開発支援助成金 申請書類(令和8年8月3日以降)」 / 確認日:2026年9月1日

書類を揃える前に確かめる3つの前提

どの支給要領が適用されるか

この記事は、厚生労働省の人材育成支援コースの支給要領を根拠にしています。この要領は、職業訓練実施計画届(様式第1-1号)または訓練実施計画届(様式第1-2号)の提出日が令和8年8月3日以降のものに適用されます。それより前に計画届を出した研修は、この要領の適用対象ではありません。どの要領に沿って書類を揃えるかを、管轄の労働局に確認してください。

日常会話だけを目的とする語学講習は対象外

支給要領は、趣味教養を身に付けることを目的とする訓練を助成対象から外しています。その例として挙げられているのが、日常会話程度の語学の習得だけを目的とする講習です。

3 趣味教養を身に付けることを目的とするもの(例:日常会話程度の語学の習得のみを目的とする講習、話し方教室 等)

厚生労働省 雇用関係助成金支給要領「12 人材開発支援助成金 (1)人材育成支援コース」(R8.8.3)

外国籍社員向けの日本語研修を計画するときは、研修の目的と内容が職務とどう結び付くかを計画届の段階で説明できるようにしておきます。個々の研修が対象になるかどうかは、支給要領には書かれていないため労働局が判断します。計画届を出す前に労働局に相談してください。

2つの期限

手続き期限
職業訓練実施計画届の提出訓練開始日の6か月前から1か月前までの間
支給申請(人材育成訓練)訓練終了日の翌日から起算して2か月以内

支給申請の期限が短いため、受講記録は研修が終わってから集めるのではなく、研修中に揃えていく必要があります。

支給申請で提出する受講記録と様式

通学制と同時双方向型の通信訓練(オンラインのライブ授業など)では、主に次の書類で受講の事実を示します。

書類示すこと支給要領の条件
対象労働者のOFF-JT実施状況報告書(様式第8-1号)受講状況訓練実施者・申請事業主・対象労働者の三者の証明。対象労働者の証明は直筆の署名
出勤簿またはタイムカードの写し受講日の出勤状況訓練受講日が属する賃金対象期間のもの。日ごとの始業時刻・終業時刻・休憩時間が分かるもの
賃金台帳または給与明細書の写し受講日の賃金の支払い訓練受講日が属する賃金対象期間のもの

eラーニングの場合は、LMS(学習管理システム)の情報の写しを提出します。各訓練の修了日、受講開始日時、受講終了日時、受講時間数、進捗率などが分かるものです。LMSからこれらの項目を出力できるかどうかを、契約前に研修会社に確認しておきます。

三者の証明と直筆の署名

また、「OFF-JT 実施状況報告書」(様式第8-1号)により、訓練実施者、申請事業主及び対象労働者の三者による証明がなされていることを確認すること。なお、対象労働者の証明は、対象労働者の直筆の署名であることを確認すること。

厚生労働省 雇用関係助成金支給要領「12 人材開発支援助成金 (1)人材育成支援コース」(R8.8.3)

署名するのは外国籍社員本人です。人事担当者や日本語の分かる同僚が代わりに署名することはできません。本人が記載内容を理解したうえで署名できるように、様式の説明をいつ、誰が行うかを決めておきます。

修了証の写しで代えると賃金助成は申請できない

OFF-JT実施状況報告書は対象労働者の修了証の写しで代えることもできます。ただし、その場合は賃金助成を申請できません。賃金助成も申請するなら、研修会社が修了証を発行する場合でも、様式第8-1号を三者の証明付きで作成します。

日本語研修で受講記録が崩れやすいところ

出勤簿と受講時間が合わない

出勤簿等で出勤状況を確認できない受講時間は、受講時間数に算入されません。さらに、OFF-JTの賃金助成の対象は所定労働時間内に行った訓練だけです。始業前や終業後に行った日本語研修は、この取り扱いに照らして整理が必要です。研修の日時を決めた段階で、出勤簿に記録される勤務時間と重なるかを確認します。

出勤状況等が確認できないものは支給対象と認めない(出勤状況等が確認できない受講時間は受講時間数に算入しない。)。

厚生労働省 雇用関係助成金支給要領「12 人材開発支援助成金 (1)人材育成支援コース」(R8.8.3)

欠席が重なって8割に届かない

通学制・同時双方向型の通信訓練では、受講時間数が実訓練時間数の8割以上の社員だけが支給対象です。また、1コースの実訓練時間数は、計画届の提出時と支給申請時の両方で10時間以上でなければなりません。シフト勤務の社員や繁忙期がある職場では、欠席が重なった時点で分かるように、受講時間を回ごとに記録し累計を確認します。

写しを作り直してしまう

添付する写しは、実際に事業場で作成し記入している書類そのものか、原本をコピー機で複写したものでなければなりません。原本から書き写したものや、申請用に別に作ったものは使えません。研修の受講分だけを抜き出した表を新たに作るのではなく、普段使っている出勤簿や賃金台帳をそのまま複写します。

日頃から整備しておく4種類の書類

支給要領は、支給対象事業主の要件として次の書類の整備を求めています。

  • 対象労働者の訓練の実施状況を明らかにする書類
  • 訓練に要する経費などの負担の状況を明らかにする書類
  • 対象労働者に対する賃金の支払の状況を明らかにする書類
  • 労働者の離職状況を明らかにする書類

日本語研修の場合、実施状況の書類としては、回ごとの出欠や受講時間が分かる記録が該当します。経費の書類としては、研修会社との契約書や請求書、支払いの記録が該当します。書類を何年保管するかは、この記事で確認した範囲の支給要領の抜粋からは示せません。保管期間は労働局に確認してください。

様式の最新版は、厚生労働省の人材開発支援助成金の申請書類のページ(令和8年8月3日以降)で公開されています。申請の直前に最新の様式かどうかを確認してから使ってください。

よくある質問

日本語研修の受講記録として、OFF-JT実施状況報告書のほかに何を出しますか。

通学制・同時双方向型の通信訓練では、OFF-JT実施状況報告書(様式第8-1号)に加えて、受講日が属する賃金対象期間の出勤簿またはタイムカードの写しと、賃金台帳または給与明細書の写しを添付します。出勤簿は日ごとの始業時刻・終業時刻・休憩時間が分かるものが必要です。

OFF-JT実施状況報告書の署名は、人事担当者が代わりに書いてもよいですか。

支給要領は、対象労働者の証明が本人の直筆の署名であることを確認するよう定めています。外国籍社員の場合も本人が署名する必要があるため、本人が記載内容を理解してから署名できるように説明の段取りを決めておきます。

研修会社の修了証があれば、OFF-JT実施状況報告書は作らなくてよいですか。

OFF-JT実施状況報告書を修了証の写しで代えることはできますが、その場合は賃金助成を申請できません。賃金助成も申請する予定なら、三者の証明が付いた様式第8-1号を作成しておく必要があります。

日本語研修の一部を欠席した社員も支給対象になりますか。

通学制・同時双方向型の通信訓練では、受講時間数が実訓練時間数の8割以上の社員だけが支給対象です。出勤簿等で出勤状況を確認できない受講時間は受講時間数に数えられないため、欠席と出勤記録の両方を回ごとに管理します。

業務時間外に行った日本語研修も賃金助成の対象になりますか。

支給要領では、OFF-JTの賃金助成は所定労働時間内に実施された訓練だけを対象としています。始業前や終業後の研修がどう扱われるかは個々の勤務形態によるため、計画の段階で管轄の労働局に確認してください。

助成金の申請を見据えた日本語研修を相談する

研修の日時や出欠の記録方法、受講時間の管理など、研修会社の側で整えられることを研修の設計段階からご相談いただけます。助成金の対象になるかどうかの判断は、管轄の労働局にご確認ください。

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