2027年4月以降も在籍する技能実習生はどうなるか——経過措置と日本語要件の関係

施行日(2027年4月1日)より前に認定された技能実習計画に基づいて実習中の人は、施行日以降も「技能実習」の在留資格のまま実習を続けられます。ただし「育成就労」へ在留資格を変えることはできず、技能実習3号へ進めるのは施行日時点で2号を1年以上行っている人に限られます。経過措置で技能実習を続ける人に育成就労の日本語要件がかかるかどうかは、当編集部が確認した一次情報の範囲では明記を確認できておらず、外国人技能実習機構または出入国在留管理庁への確認が必要です。

執筆: United World Nihongo 編集部 / 公開日: 2026年9月29日 / 出典: 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について」、出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」、外国人技能実習機構「育成就労制度の施行に伴い、令和9年4月以降、技能実習3号に移行できない場合があります。」 / 確認日: 2026年9月1日

施行日の前後で技能実習の扱いがどう変わるか

育成就労制度は、技能実習制度に替わる制度として始まります。

令和9年4月1日から技能実習制度に替わり、新たな制度である育成就労制度が始まります。

外国人技能実習機構「育成就労制度の施行に伴い、令和9年4月以降、技能実習3号に移行できない場合があります。」

ただし、施行日にすべての技能実習が終わるわけではありません。施行日時点で在籍している技能実習生には経過措置があります。

育成就労法の施行日(令和9年4月1日)より前に認定を受けた技能実習計画に基づき、施行日時点で技能実習を行っている者は、施行日以降も引き続き「技能実習」の在留資格のまま技能実習を行うことができます。

出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について」

経過措置の内容の一覧

項目施行日以降の扱い出典
施行日時点で実習中の人「技能実習」の在留資格のまま実習を続けられる経過措置資料
新たな技能実習計画の認定申請施行日以降は申請できない経過措置資料
施行日前に計画認定と在留資格認定証明書の交付を受けた人令和9年6月30日までに入国する必要がある経過措置資料
1号から2号への移行施行日以降に1号を修了した人も、引き続き2号へ進める経過措置資料
2号から3号への移行施行日時点で2号を1年以上行っていることが必要経過措置資料
在留期間の更新施行日時点で「技能実習」で在留している人は、施行日以降も更新を受けられる経過措置資料
「育成就労」への在留資格変更できない経過措置資料
施行日以降に「技能実習」以外へ変更した人「技能実習」へ戻す在留資格変更の対象にならない経過措置資料
経過措置の期限施行から3年を目途とする令和12年3月31日まで。その後は育成就労制度のみ経過措置資料

3号へ進めるかどうかは施行日時点の2号の期間で決まる

在籍中の技能実習生について企業が最初に確かめる点は、施行日以降に3号へ進む予定があるかどうかです。

施行日以降に技能実習3号に進むためには、施行日時点において技能実習2号を1年以上を行っていることが必要です。

出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について」

社内で確認しておく項目

  • 技能実習生ごとの技能実習計画の認定日
  • 2号を始めた日と、施行日時点での2号の期間
  • 現在の在留期限と、更新の予定
  • 本人が3号・特定技能など、その後にどの在留資格を希望しているか

2号の期間が要件を満たすかどうか判断がつかない場合は、日付を手元でそろえたうえで、外国人技能実習機構に個別に確認してください。

在留資格を変えると技能実習には戻れない

施行日以降に「技能実習」以外の在留資格へ変更した人は、「技能実習」へ戻す在留資格変更の対象になりません。また、技能実習生が「育成就労」へ在留資格を変更することもできません。どの在留資格へ進むかは、本人の希望と、監理団体・登録支援機関など手続きに関わる機関の確認を踏まえて決める必要があります。

日本語要件について分かっていること・分かっていないこと

育成就労の新規受入れ:就労開始前にA1相当

育成就労では、就労を始める前に日本語の要件が設けられています。

就労開始前までに求められる要件として、日本語能力A1相当以上の試験に合格すること又はこれに相当する認定日本語教育機関の「就労」課程のA1相当の講習を100時間以上受講することを求めています。

出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」

育成就労から特定技能1号へ:A2相当

育成就労から特定技能1号へ移るときは、技能の試験と日本語の試験の両方の合格が要件です。

技能に係る試験(技能検定試験3級等又は特定技能1号評価試験)及び日本語能力に係る試験(日本語能力A2相当以上の試験(日本語能力試験N4等))の合格が特定技能1号への移行の要件となります。

出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」

経過措置で技能実習を続ける人:明記を確認できていない

ここまでの日本語要件は、いずれも「育成就労」についての記述です。経過措置で「技能実習」の在留資格のまま実習を続ける人に、これらの日本語要件がかかるのかどうかは、当編集部が確認した一次情報(上記3つの資料)の範囲では明記を確認できていません。技能実習から特定技能1号へ移る場合の日本語要件についても、本記事で扱った資料には記述がありません。

この点を推測で判断せず、次の内容を外国人技能実習機構または出入国在留管理庁に問い合わせてください。

  • 経過措置で技能実習を続ける人に、育成就労の日本語要件が適用されるか
  • 技能実習を修了した人が特定技能1号へ移る場合に、どの日本語試験の合格が必要か
  • 3号へ進む場合に、日本語について追加の要件があるか

在留資格の選択が法的にどう扱われるかの判断は弁護士の領分です。在留手続きの実務は、監理団体や行政書士と確認してください。

企業が今から進められる準備

日本語要件の適用が確認できていない段階でも、企業の判断で進められることはあります。

要件とは別に、業務に必要な日本語を洗い出す

制度上の要件がどうであれ、現場で指示を理解し、報告・連絡・相談ができるかどうかは企業の業務に直結します。在籍する技能実習生が、どの場面でどの日本語に困っているかを、現場の担当者から聞き取っておくと、研修の優先順位が決めやすくなります。

研修と制度要件を混同しない

United World は認定日本語教育機関ではありません。当社の日本語研修は、育成就労で就労開始前に求められる認定日本語教育機関の講習には当たらず、制度上の日本語要件を満たすものではありません。当社が支援できるのは、企業が業務上必要と判断した日本語研修の設計と実施です。制度上の要件を満たす手段は、出入国在留管理庁の公表資料で確認してください。

経過措置の期限から逆算して計画する

技能実習の経過措置は令和12年3月31日までです。在籍する技能実習生がその後どの在留資格へ進むのか、本人の希望を早めに聞き、必要な試験や手続きを確認しておくことで、日本語学習の目標も具体的に決められます。

よくある質問

2027年4月1日以降、在籍中の技能実習生は帰国しなければなりませんか。

施行日より前に認定された技能実習計画に基づき、施行日時点で実習をしている人は、施行日以降も「技能実習」の在留資格のまま実習を続けられます。在留期間の更新も受けられます。

在籍中の技能実習生を育成就労に切り替えることはできますか。

できません。出入国在留管理庁・厚生労働省の経過措置資料に、技能実習生が「育成就労」に在留資格を変更することはできないと書かれています。

施行日以降も技能実習3号へ進めますか。

施行日以降に技能実習3号へ進めるのは、施行日時点で技能実習2号を1年以上行っている人に限られます。該当するかどうか判断に迷う場合は外国人技能実習機構に確認してください。

経過措置で技能実習を続ける人にも、育成就労の日本語要件はかかりますか。

当編集部が確認した出入国在留管理庁・厚生労働省・外国人技能実習機構の資料の範囲では、この点の明記を確認できていません。外国人技能実習機構または出入国在留管理庁に直接確認してください。

技能実習の経過措置はいつまで続きますか。

技能実習の経過措置は、施行から3年を目途とする令和12年3月31日までです。その後は育成就労制度だけになると経過措置資料に書かれています。

在籍する技能実習生の日本語研修を相談する

制度の移行期でも、現場で必要な日本語は企業ごとに違います。在籍する技能実習生の業務と課題を伺い、社内で進める日本語研修の設計をご提案します。制度上の要件の判断は所管機関への確認をお願いしています。

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