登録日本語教員とは——日本語講習を依頼する企業が講師の資格を公式に確認する方法
講師が登録日本語教員かどうかは、文部科学大臣が交付する登録証で確かめます。登録は、文部科学省に備えられた日本語教員登録簿に文部科学大臣が氏名・生年月日などを記載して行うもので、登録証にはその記載事項が記されます。企業が取れる手順は、講師に登録証の提示を求めること、記載内容を本人確認書類と照合すること、疑問が残る場合は文部科学省総合教育政策局日本語教育課に問い合わせることの三つです。
執筆: United World Nihongo 編集部 / 公開日: 2026年10月14日 / 出典: 日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(令和五年法律第四十一号、e-Gov法令検索)、文部科学省「登録日本語教員の登録等に関すること」 / 確認日: 2026年9月1日
登録日本語教員とは何か
登録日本語教員は、日本語教育機関認定法に基づいて文部科学大臣の登録を受けた日本語教員です。登録を受けられるのは、日本語教員試験に合格し、かつ実践研修を修了した者です。
日本語教員試験(日本語教育を行うために必要な知識及び技能を有するかどうかを判定するために行う試験をいう。以下この章において同じ。)に合格し、かつ、実践研修(認定日本語教育機関において日本語教育を行うために必要な実践的な技術を習得するための研修をいう。以下この章において同じ。)を修了した者は、文部科学大臣の登録を受けることができる。
日本語教育機関認定法 第十七条第一項(e-Gov法令検索)
実践研修は、認定日本語教育機関で日本語教育を行うために必要な実践的な技術の習得を目的として、文部科学大臣が行うものと定められています(第十七条第一項、第二十七条第一項)。また、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるなどした日から五年を経過しない者は登録を受けられません(第十七条第二項第一号)。
文部科学省は、登録日本語教員の登録状況を20,075名(令和8年8月21日時点)と公表しています。
登録簿と登録証の仕組み
企業が確認に使える手がかりは、法律が定める登録簿と登録証の仕組みです。条文ごとに整理すると次のとおりです。
| 項目 | 条文 | 定められていること | 確認する側にとっての意味 |
|---|---|---|---|
| 登録の方法 | 第十七条第四項 | 文部科学大臣が日本語教員登録簿に氏名・生年月日などを記載して行う | 登録の有無は登録簿への記載で決まる |
| 登録簿の所在 | 第十七条第五項 | 日本語教員登録簿は文部科学省に備える | 記載内容の問い合わせ先は文部科学省になる |
| 登録証の交付 | 第十八条第一項 | 登録をしたときは、登録簿の記載事項を記した登録証を交付する | 講師本人が提示できる公的な書面は登録証 |
| 登録証の再交付 | 第十八条第二項 | 亡失・滅失したときは、申請により再交付を受けられる | 紛失を理由に提示できない場合は再交付の状況を確認する |
| 登録事項の変更 | 第十九条 | 変更の届出には登録証を添えて提出し、訂正を受ける | 氏名などが変わった講師の登録証は訂正済みのものになる |
| 登録の取消し | 第二十一条第一項 | 偽りその他不正の手段で登録を受けたときなどは登録を取り消す | 一度登録された者でも取消しを受けることがある |
| 登録証の返納 | 第二十一条第三項 | 取り消された者は取消しの日から三十日以内に登録証を返納する | 登録証の提示だけでは現在の登録を判断しきれない場面がある |
文部科学大臣は、登録をしたときは、登録を受けた者(以下この節において「登録日本語教員」という。)に前条第四項に規定する事項を記載した登録証を交付する。
日本語教育機関認定法 第十八条第一項(e-Gov法令検索)
企業が講師の登録を確認する手順
登録証の提示を求める
講師が登録日本語教員であることを示す公的な書面は、文部科学大臣が交付する登録証です。講習の依頼先が「登録日本語教員が担当する」と説明している場合は、担当講師の登録証の提示を依頼先に求めます。依頼先の会社の説明資料やウェブサイトの記載は、登録証の代わりにはなりません。
記載事項を本人と照合する
登録証には、登録簿の記載事項である氏名・生年月日などが記されています。講習を担当する本人の情報と一致しているかを照合します。登録事項に変更があった登録日本語教員は、届出に登録証を添えて訂正を受けることになっているため、氏名が変わった講師の登録証は訂正を受けたものになります。
講師が登録証を紛失している場合、登録日本語教員は申請によって再交付を受けられます。「紛失したので見せられない」という説明のまま講習を始めず、再交付の申請状況を確認してください。
一次資料で制度を確認する
登録の要件や手続きの詳細は、文部科学省の「登録日本語教員の登録等に関すること」のページに掲載されている「登録日本語教員の登録申請の手引き」で確認できます。登録証の様式や記載事項を確かめたい場合も、まずこの手引きと法律の条文を参照してください。
判断がつかないときは文部科学省に確認する
日本語教員登録簿は文部科学省に備えられています。ただし、企業が個人の登録状況を照会できる公開の仕組みがあるかどうかは、本記事で参照した法律の条文と文部科学省のページからは確認できませんでした。登録証の真偽や現在の登録状況に疑問がある場合は、文部科学省総合教育政策局日本語教育課に照会の可否を確認してください。
登録日本語教員と認定日本語教育機関は別の仕組み
登録日本語教員は個人に対する登録、認定日本語教育機関は機関に対する認定です。講師が登録日本語教員であっても、その講師が所属する会社や教室が認定日本語教育機関であることにはなりません。
何人も、認定日本語教育機関でないものについて、認定日本語教育機関という名称又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。
日本語教育機関認定法 第四条(e-Gov法令検索)
育成就労制度などで企業に求められる日本語講習について、どの講習・どの講師であれば要件を満たすかは、出入国在留管理庁の公表資料で確認し、監理支援機関や出入国在留管理庁に問い合わせてください。個別の契約や制度への適合についての判断は弁護士の領分です。
なお、United World は認定日本語教育機関ではありません。本記事は、制度上の義務を負う企業の側が依頼先を確認するための情報として、一次資料の内容を整理したものです。
よくある質問
登録日本語教員になるための要件は何ですか。
日本語教員試験に合格し、かつ実践研修を修了した者が、文部科学大臣の登録を受けることができます。根拠は日本語教育機関認定法第十七条第一項です。
講師が登録日本語教員かどうかは何で確認できますか。
文部科学大臣が登録した者に交付する登録証で確認します。登録証には日本語教員登録簿の記載事項である氏名・生年月日などが記されているため、講師本人の情報と照合します。
講師が登録証を紛失したと言う場合はどうすればよいですか。
登録証を亡失・滅失した登録日本語教員は、申請により再交付を受けられます(第十八条第二項)。再交付の申請状況を講師に確認し、疑問が残れば文部科学省日本語教育課に問い合わせてください。
企業が日本語教員登録簿を直接照会できますか。
日本語教員登録簿は文部科学省に備えられていますが、企業が個人の登録状況を照会できる公開の仕組みがあるかは、本記事で参照した一次資料からは確認できませんでした。照会の可否は文部科学省日本語教育課に確認してください。
登録日本語教員が教えていれば、その会社は認定日本語教育機関になりますか。
登録日本語教員は個人に対する登録で、認定日本語教育機関は機関に対する認定です。講師の登録によって所属先が認定を受けたことにはならず、認定を受けていないものに紛らわしい名称を用いることは第四条で禁じられています。